▲絵本太閤記 紙本墨書 1冊 享和元年(1801) 本館蔵
絵本太閤記 紙本墨書 1冊 享和元年(1801) 本館蔵

 この資料は、秀吉の二百回忌である寛政9年(1797)から享和2年(1802)にかけて出版された秀吉の一代記。寓話が多く、史実とは異なる記述も多く見受けられるが、一般化された秀吉像の基礎を形作った作品の一つである。
 掲載箇所は、秀吉が自身の事績をもとに制作させた「豊公能」のうちの一つである「北条」に関連する場面である。「北条」では、敵方であった北条氏政の霊が現れ、秀吉による小田原攻めの際に、籠城の末、自害した最期を語る。